巴がゆく!(文庫1〜2) 田村由美

巴がゆく! (1) (小学館文庫)

巴がゆく! (1) (小学館文庫)

 今となっては異端の絵になってしまっている田村由美だが、この頃の絵を見ると、当時はそこまで外れていなかったことがわかりますね!まぁ今だって驚くほど変わっていないけれども、当時はちょっと眼の中が一般的な少女漫画風味だった。成田美名子とかも割とこんな絵だったですものね昔。ちなみに内容としては、現代設定の割にはちょっと突飛すぎて私にはそんなに楽しく感じられなかった。ただ、ストーリーも異端だし、主人公の巴の性格も若干異端ではあるし、協力してくれるキャラも少女漫画ではないし、田村由美の方向性は昔から全くぶれていなかった事は確認できた。ちなみに当時読んでたら楽しかったかも。なんか、漫画自体を楽しむというより、田村由美の軌跡の一環として読んだ方がいいかもしれないと思った。
 ちなみに、正直漫画の内容より文庫1巻の若木未生のあとがきのが心に来た。「十九歳だった。大人にも、なりたいものにも、どちらにもまだなれずにいて、叶う見通しもないまま、ただ、『小説を書いて生きたい』それだけ考えて、古いアパートの小さい部屋にひとりで暮らしていたころ(以下略)」ああああ。