王家の紋章 53巻 細川智栄子

 アイシス様ご懐妊おめでとうございます。輝く女王アイシス様と、バビロニア王との御子が誕生することを、心待ちにしておりました。
 というわけで、今回のニュースは、アイシスのご懐妊です。アイシスバビロニアに嫁いで以降、さらわれちゃんキャロルはそろそろうっとおしくなってきたのですが、アイシスが心乱れまくってとても良いです。決定打を受けたアイシスがどうするのか。っていうかもっと早く妊娠しておけばよかったのにという気すら覚える。成長した子供は可愛いがメンフィスのそばにいたいしでも憎いしみたいな感じでどんどん心乱れていけばいいこれからももっと。でも18歳で死ぬっていう設定があるから、子供を成長させたら矛盾が生じてしまうのか…。
 あとイズミル王子は人の話を聞いてほしい。なんか、宗教に入った人にいくら何を言っても通じない、みたいな理不尽さを感じる、イズミル王子からは。叡智はどうした叡智は。あんなに元はかっこいいイズミル王子なのに、「おお愛しているぞナイルの娘よ」「こないでー!ひどいことしないでー!」→キャロル具合が悪くなる→「おお〜〜いかにせん〜〜」というこのパターンはもういいよ!イズミル王子そんなに同じ手を食うほど馬鹿じゃなかったはずでしょ!キャロルがいると、イズミル王子はすぐキャラがぶっ壊れてしまうので、もう丸々一巻、キャロルを出さないで、かっこいいイズミル王子だけを見つめていたい。
 この漫画のいいところは、今までに登場させた登場人物を、すべて余すところなく使おうとする姿勢だと思います。ファンには嬉しいですね。しかし巻数が進むにつれキャラは増える一方なので、それは惰性につながるし、大体が中途半端に終わって話が見えなくなる。多分構想としては、まだまだ使っていく気があるのかもしれないけど…。アラゴン王とか。
 この巻はイズミル王子の幼少のみぎりの萌え話に出てきた従兄弟が出てきてイズミルを殺そうとするところで話が終わっていたのですが、こちらはある程度展開が読めるのでそんなに気になりませんでした。とりあえずこの巻のポイントは、アイシス様のご懐妊で。