わたなべまさこ 聖ロザリンド
 昭和49年の作品。これが彼女が活躍し始めた時期から考えて、脂がのった時期の本だったのか、過ぎた時期だったのか、どっちかが分からないのがちょっと辛いです。他の作家さんはファンサイトがあって、大抵データベースが全部揃っているので…。多分世代的には水野英子と同じくらいなのかな…?24年組の世代が読んで育ったくらいのはずだから。絵柄の変遷を知りたかった…。
 これはとても美しく愛らしく、お人形のような六歳の少女ロザリンドが、どんどん人を殺していくというストーリーです。ロザリンドは人を殺す際は悪意等は全くなく、凄く無邪気に人を殺しています。そして、人が死んだ=不幸、悪い事という考えは全然持ち合わせてないです。むしろ好意で人を「殺してあげる」というか。本質的にはとても素直で良い子なんだろうけれども、子どもらしいいたずらな面を少し持ち合わせていて、そこが更に残酷な殺人へと駆り立てることになるんですが、このロザリンドの無邪気な描写が素晴らしいです、鳥肌物。時代を感じさせない手法。そりゃ、絵とか台詞回しとかはふるいけれども。かなり神がかってました。もっとわたなべまさこ真剣に読もう…。

追記

東京生まれ。昭和28年に「涙の賛美歌」でデビュー
「ガラスの城」で第16回小学館漫画賞を受賞。
代表作は、「聖ロザリンド」など
現在は漫画界の大御所、創造芸術学部教授としても活躍中。

代表作だったそうです、聖ロザリンド。ガラスの城しか知らなかったorz
わたなべまさこさんも大学教授なんですね。何か漫画家で教授になってる人って多いですね。そのうち漫画も大学で学問として勉強できるようになるかなぁ。そうなるといいなぁ。そうしたいなぁ。
 

 ↑ダーティー松本で少年向けコミックセット!?そんな恐ろしい。はてなの本リンクは謎…。
 えーと、これは凄いです。エロいです。過激な局部表現は無くて、単なる平らな丘なので、そうゆう所ではエロ度は足りないんですが、この女子の股間を大きく盛り上げることにより、正面からの絵でもエロスを感じさせる凄さというか、なんていうか。
 最後についていた解説は何か的外れだった。無理やりに文学的にしようとしている気がしないでもなかった…。でもちょっと興味深い文章でした。