いがらしいゆみこ

メイミー・エンジェル (1) (中公文庫―コミック版) (文庫版全三巻)
いがらしゆみこでございます。
最近では作品どころか裁判問題で有名ないがらしゆみこでございます。
このメイミー・エンジェル、キャンディ・キャンディの後の連載漫画です。
水木杏子という原作付きの作品、キャンディ・キャンディで大ブレイクしたいがらしゆみこ
今度は単独でヒット作を狙うのですが、これが凄い。
完全にキャンディ・キャンディの劣化版。
個性も何も無いのに何故か無条件にもてもてのヒロインが、
沢山のかっこいい男の子達から思いを寄せられ、
白痴のヒロイン、メイミーはその愛情をその場その場で切り分けて受け取ります。全員の前で良い顔します。
ジョニーの前ではジョニーの愛を、サミーの前ではサミーの愛を、アルマンの前ではアルマンの愛を。
ちなみにこの男の子達はとっても良い子たちなので、嫉妬とかはしません。
のらりくらりのメイミーに余裕でだまされます。ナイスです。
そして、メイミーをめぐって喧嘩なんて起きても困るし、男の子をふるシーンを書くのもかわいそうなので、
とりあえず作者、男の子を殺します。完璧です。よくある手法です。
これで彼の愛はメイミーに注がれたまま、彼は読者の幸せな記憶の中で生き続ける事が可能です。
ちなみにこの漫画、最初に出てきたライバル的役割の女の子が、結果的には全く意味を成さないものとなっています。
多分、キャンディ・キャンディみたいに、主人公をいじめる存在として作り上げたかったのでしょうが、
あまりにも主人公の味方を多く作りすぎた為、収集が付かなくなって、フェードアウトしてました。
むしろ、性格が改善されてて、キャラも何も無くなってました。
ただ、仲の良い家族たちが仲間割れする展開はなかなか見事。上手い。
最後には、メイミー何もしてないのに、敵がメイミーの性格のよさにほだされ、
みなさんメイミーの味方になってくれます。それで、自滅してくれます。完璧な筋書き。
メイミーはただ世界の中心で「私、みんなに先立たれちゃった!」って泣くだけです。
でも、これでいいのです。漫画を読む少女は、基本的には主人公の女の子に感情移入します。
ストーリーとかあんまり関係なくて、主人公がかわいそうっぽく描かれればOKなのです。
ちなみに、このみんなが勝手に好いてくれて、勝手に死んでくれるっていういいとこどりストーリーは、
ジョージィ!でも採用されていて、もはやいがらしゆみこお家芸と化していたわけですが、
やっぱり、ジョージィ!は優秀な原作者がバックについているだけあって、
全然陳腐じゃない、とても素敵な物語になっていました。あれは超名作。素敵、井沢満
いがらしゆみこ、単独でもまぁ並み程度ですが、やっぱり原作つかないと。価値が一気に無くなる。
 
あと、最近気づいたんですけど、
25日〜10日まで…大判漫画
11日〜24日まで…中古少女漫画
みたいに、買うのが別れるみたいです。
お金があるか無いかの問題みたいです。
 
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