いくわよ、ひろみ!

ラスト.ワルツ―Secret story tour

ラスト.ワルツ―Secret story tour

 アックスで活躍している、シマトラデビュー作収録。というか、デビュー作は、彼の中のストーリーの第一話でしかなく、連載が決定(?)した後も、延々とその続きを書き続けて、最後に何のまとまりもないように思えた話しをまとめた、っていう噂を聞いています。まだ四話までしか読んでないから分からんとです。
 どことなく不思議な、自作の逸話をいかにもフィクションであるかのように語るようすが素晴らしい。しかも、実に良く出来た逸話で、心に何かを残さずにはいられない、ちょっと切なくなるような話ばかり。絵も独特で見事で、本当に綺麗。まだ最後のまとめを読んでないのですが、これは凄く良い作家だと思います、あう。東京命日も途中から読み始めたからどうでも良くなって投げ出してたのですが、ちゃんと買って読もうかと思った。
 
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  私が読んでいるのは、これじゃなくてコンビニ本です。でも、最後に中央公論新社の5,6巻から〜と奥付があったので、この画像出してみました。
 ああ、なんて名作!相変わらずお蝶夫人は巣晴らしすぎるし。また、宗方コーチとひろみの絆が余りにも強い絆で、しかもその絆を説明する言葉が、道理にかなっていないのに何だか道理にかなっているような気持ちにさせてしまいます、凄い熱意だ、山本鈴美香
 宝力さんが良いキャラだった。ああゆうファッション好き。レトロ溢れるお洒落ですね。でも、ひろみは宝力さんの事をあんまり良く思っていないのが微妙…、いい子なのに…。そしてこの後、男におぼれて人生転げ落ちてくし…。反面教師キャラ。
 この作者の、厳しい道には恋愛を禁じなくてはいけない、っていう考え、割と説得力があるけれども、これをうっかり現実に持ち込んでしまうと、意味が分からない人生になってしまうので注意…。それは凄く説得力がある台詞達なのだけれども、今の現実と世界がかけ離れすぎていて、何だか違和感を覚えてしまう。多分このテニス漫画には、作者の辛い経験、例えば漫画家になるための道、みたいなそうゆう経験が多分に含まれていて、それを一気に放出している気がします。だから、自分が何者であるかを追求して、辛い経験を踏んだことがない人を、混乱させる漫画な気がする。普通の人じゃ考えないようなことが、前提としてあるから。でも、これだけリアリティ溢れて描いた漫画だから、これだけヒットしたし、未だに素晴らしい!と読み続けられるのでしょう…。主人公がいきなり才能があって、努力無しにうまく行く漫画とは、一味も二味も違う。
 
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ポーの一族 (2) (小学館文庫)

ポーの一族 (2) (小学館文庫)

 私はエドガーだけ、メリーベルだけ、じゃなくて、エドガーとアランの二人が見たいので、二巻は微妙。でも雰囲気があるので吸い込まれます。
 時代を順々に追っていくわけではなくて、作者が描きたい、と思ったところをかく、というこの自由な形式が、逆に無情観を倍増させる結果になっていて素敵。むしろこれは計算済みだったのかな…。メリーベルは、普通の無邪気な少女なのか、妖艶な娼婦なのかいまいちつかみどころがない。色んな面があるってことなんだろうけれども、漫画ごとに性格が違ったりするので、何だかあまりメリーベルが好きになれない。舞台装置として、こうゆう少女がいて、っていう設定としてなら好きだけれども、キャラクターとしての魅力を感じることは私には余り出来ない。それよりか、アラーン!!