■
- 作者: 大島弓子
- 出版社/メーカー: 朝日ソノラマ
- 発売日: 1975/01/25
- メディア: コミック
- 購入: 1人 クリック: 2回
- この商品を含むブログ (2件) を見る
「男性は突然人を愛すのかしら… ほんとうの愛もできあがらないうちに子どもなんてのぞみもしないうちに! そんなふうにしてできた子どもがどんなに苦しむかわかりはしないんだわ! 男なんかにはきっとわかりはしない…」
素晴らしい。「男なんか」って言うのが素晴らしい。萌え〜。完全に閉じた世界。こうゆう閉鎖的な女子もえ〜。
他にも、主人公の妄想(?)のシーン。
あさみの中の子はわたしなのだ!昔わたしはあさみの中で苦しんだ… 生まれるべきか生まれぬべきか…(中略) あの夜わたしのまえをだれもとおらなかったら… 翌朝はゴミといっしょに火をつけられて あの焼却炉の中で!!まだことばもしらぬ声で助けをよび… 泣き叫び… もがき苦しんでまだもえてないゴミのほうへはいずって… やがて足をやかれ…手をやかれ… 息が出来ず… 息が出来ず!!
「昔わたしはあさみの中で苦しんだ!」っていう、自分は親友から生まれたって考えがちょっとエロくてどきどきするんですが、私はとにかく、「息が出来ず!!」の所で、赤ちゃんの姿だった主人公が今の姿に一瞬で戻ったところとか凄いと思う。当時知るはずだった熱さ辛さを、大きくなった彼女が今味わっているって事ですね。あと、自責の念とか?
この誕生で大分自分の進むべき方向が分かったみたいで、確かにそれ以降の大島弓子作品は、大分デビュー当初とは変わってきてます。ちょっと妄想少女が主人公というか、なんと言うか。でもそれも、他と同じ、ただの少女マンガの漫画の域を出ていなくて、私はやっぱり、ミモザ館から今の大島弓子の道がスタートした気がします。