しりあがり寿

真夜中のヒゲの弥次さん喜多さん (ビームコミックス)

真夜中のヒゲの弥次さん喜多さん (ビームコミックス)

 大人気弥次喜多シリーズのヒゲバージョン。ヒゲが生えた分読者の満足度も高いはず!だそうです。
 ここで「ヒゲがあったから何なの?」って思った人は負けです。最後まで読んで「結局ヒゲはなんだったの?」って思った人も負けです。
しりあがり寿先生、さすがに天才です。この、ネタ切れしない凄さ。第一話の「つめた様」でいきなり読者の感動を狙ってきます。ただ、「不条理で意味がわからないけどなぜかたまに感動する」、「登場人物の人柄の良さに不思議とじーんとさせられる」というのがしりあがり先生の感動物の定番パターンだと思うのですが、このつめた様のお話は、摩訶不思議な雰囲気は出ているものの不条理でも何でもなく、明快なストーリーで分かりやすく感動できるようになっていたのでびっくりしました。第二話も比較的分かりやすい感動ストーリー。今まで「意味不明なしりあがり作品はちょっと…」と思っていた方も、これならお勧め。と思いきや、三話以降不条理炸裂しっぱなし。個人的には最終話の不条理さが一番好きでした。行き倒れのまっつぁんは秀逸。
 それ以外で注目したいのは、第四話です。普段から「ふざけた絵かいてるけど、絶対に実は物凄く上手い」とささやかれ、手塚治虫にも「この人は本当に上手い人だ」と称されたといわれるしりあがり先生なんですが、第四話ではその実力をちょっぴりかいま見ることが出来ます。弥次さん喜多さん以外のキャラクター全員、そして背景も全てが、なぜかドラクエ絵となって話が進みます、しかもそっくり。…もしかするとドラクエ絵が得意なアシスタントさんがたまたまいて、彼が全ているだけなのかもしれませんが…。でも、もちろん、しりあがり先生は超上手いに決まっていると私は思っています。多摩美だし、キリンビールだし。
 
 
本当は七日の続きで岡田史子を書きたかったんですが、書くのに結構精神力使いそうなので、今日はやめちゃいました(´・ω・`) 明日バイトあるし。