一条ゆかり

正しい恋愛のススメ 1 (集英社文庫(コミック版))

正しい恋愛のススメ 1 (集英社文庫(コミック版))

 文庫で2巻まで読みました(ブックオフの100円文庫コーナーには二巻までしか置いてなかったんです)。今現在、堀江美都子になりきっている自分にとっては、あまりにもスキャンダラスな漫画でした。
 端的に言うと、逆ビッチ漫画です。女の人に体を売る美少年と、それを巡る恋愛の話。石田衣良娼年よりは楽しいです。流されるまま人生を何となくで過ごしてきた主人公の竹田が、クラス委員長と裏の商売を同時にこなすという万能高校生・護国寺に誘われるがままに、逆売春の仕事を初めて、客として知り合った、彼女の母親を好きになってしまうという、それはそれは良い親子どんぶりで。
 先日私、「内定先を第三者に判断してもらう」とかそうゆう類のスレで、「ロリ巨乳とスレンダー美人の両方に内定が決まりそうなんですけれども、どっちにすればいいですか」と訪ねたところ、ほぼ満場一致で「ロリ巨乳!」という答えが返ってきました。まぁ、それで何が言いたいかというと、世の中の人はスレンダーでこなれた40代熟女より、多分ロリの方がよいと思ってると思うんですよ。でも主人公はロリより40代のお母さんに流れてしまいます。これは、別に主人公がたまたま熟女好みだったでは済まされない問題です。何故この主人公は、同級生の彼女を捨てて、大酒飲みの40代のバイタリティあふれた業界人の母親に走るのか。それは作者=母親だから。一条ゆかり、まだまだ小娘には負ける年齢ではないです。多分性に関する意識もこうなんだろうな、と感じてしまうのは私の思い込みでしょうか。でもこうゆう感覚、嫌いじゃないぜ。
 このように、作者がキャラクターにちゃんと感情移入して書けているので、中身は中々面白いものに仕上がっている気がします。ポイントはどろどろの人間関係です。登場人物みな穴兄弟。下手したら、私が今はまっている昼メロ「偽りの花園」の上原さくらの近親相姦よりスキャンダラスかもしれません。マニア必須です。
 読んでいるうちに主人公の理想の大人の女性の裏側がしっかり描けていて、完璧美人も可愛く見えてくるマジックが働きます。そして、護国寺がホモもいけそうなところもナイスです。主人公の対男のファーストキスを奪った彼には、主人公の尻穴も狙っていただきたい。やおいこそが正しい恋愛の形です。
 
 

正しい恋愛のススメ(文庫2巻までの評価)
面白さ ★★
構成 ★★★★
お勧め度 ★★